漢方

麻黄湯と銀翹散でカゼを治した話

2020/04/16

先日、寒気を感じる風邪の初期症状とノドの痛みを感じる風邪の初期症状の2パターンを立て続けに経験して、両方とも漢方で早期治療回復したのでその時の体験談をレポート。

まず、最初は寒気を感じたケース。今月の初めくらいだったでしょうか。

急激に気温が下がったためか、朝起きると全身に寒気を感じました。

あ、これはカゼの初期症状だなと察知。漢方マニアの知識をフル展開。

どの漢方を選ぶべきか思案しました。

カゼは初動対応が肝心

家に常備してあるカゼに効く漢方は、葛根湯麻黄湯銀翹散です。

まず、寒気が尋常ではないので葛根湯は除外。風邪には葛根湯なんて言われてますが葛根湯が効くケースはかなり限られています。今回は寒気が強く、一気に体温を上げて汗をかかせる必要があるので葛根湯では足りない可能性が高い。

葛根湯と麻黄湯の生薬構成を比較すると下記の通り。

麻黄湯:桂皮、麻黄、杏仁、甘草

葛根湯:葛根、麻黄、桂皮、生姜、芍薬、大棗、甘草

葛根湯は発汗しすぎないようにセーブをかける芍薬などの成分が入っているので、一気に体温を上げるのに向きません。

ちょっと調子がおかしい「アレこれ風邪ひいたかな」くらいなら葛根湯で良いのですが今回は葛根湯では役不足。

あとはノドの痛みがあったりすれば銀翹散も選択肢なんですが、今回の場合微かなノドの違和感はあるものの痛みというには程遠い感じがします。

こりゃ、もう麻黄湯だ、と麻黄湯をお湯に溶いて服用。

布団に入って横になります。飲んですぐポカポカしますが、本格的に身体が温まってくるのは飲んで一時間くらい経ってから。その温まりがピークになる前に暖かさから眠りに落ちてしまったのですが、「ハッ」と目が覚めた時には汗だくになっていました。

目が覚めた頃には寒気は消えていました。初動対応に誤らなければすぐに治るんだなぁとちょっと感動。

麻黄湯の使用目的は「体温を上げて汗をかく」ことにあります。

漢方薬は通常空腹時(食前1時間前、食後2時間後など)に飲むことを推奨されますが、麻黄湯を飲む必要があるような状態の時は食後すぐの体温が上がっている時に飲む方が効果があります。

もしくは食事の直前ですね。

「食事で体温が上がる」+「麻黄湯で体温を上げる」のセットで汗をかいて風邪を治します。

体温が上がったから氷枕というのはかえって身体にダメージを与えるのでご注意。

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銀翹散が有効なケース

次はノドからカゼのパターン。これはつい数日前のことです。

寝ている間に肩から上を冷やしたせいか、目が覚めるとノドに明確に違和感が。

渇きを覚えたので、リンゴを何切れか頬張ってみたもののノドの違和感は消えません。

このケースこそ葛根湯でも麻黄湯でもなく、銀翹散を服用するのが適切なパターンや!とお湯に溶いて温服。

銀翹散の生薬構成は下記の通り。

薄荷、牛蒡子、淡豆鼓、金銀花、連翹、淡竹葉、羚羊角、荊芥、桔梗、甘草

生薬の構成が結構独特です。あまり他の一般的な漢方薬では見ない生薬も多く、私レベルではパッと見て正直効果が判別できません(銀翹散は保険適用ではありません)。

が、ノドの痛みがあるときは銀翹散と言われているのでそれに従います。

葛根湯や麻黄湯は飲んですぐ温まる感じなのですが、銀翹散は温めるのではなく、薄荷の香りがして腫れた喉元など炎症部分が涼しくなる感じがするので薬としてのベクトルは違う方向を向いてますね。

これは服用して横になったりせずに日常生活していても効果が出ました。

午前中に飲んで、昼には具合が良くなっていました。どちらもカゼの初期段階で飲むと凄く効きます。

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