転職失敗からの巻き返しと株式投資
前のブラック企業から転職した時のエピソードから定期的に職場の変化や金銭的な状況の改善を記載してきておりました。
Uターンして転職したブラック企業の劣悪な環境が精神的にも経済的にもとことん苦しめられてしまって20代後半~30代半ばまでの私の生活は色々とどん底まで落ちてしまって未来に全く希望が持てない状況だったのですが、転職してやっと「まとも」な生活に戻れるようになりました。
ただ、そのブラック企業勤務時の無駄な消耗が足かせになって経済的な苦境が続いてしまったため「普通に戻る、遅れを取り戻す」・・・がとてもハードルが高く地道にコツコツ働くしかないがゆえに辛かったんだけども、色々ラッキーが重なりようやく普通に戻って余裕が持てる状況になりつつあるので、その過程の話をご参考までに。
積立NISAと確定拠出年金でまず金融資産を作ろう
前のブラック企業勤務時は、元々賃金が低い上にボーナスも一度だけ少額(確か10万円くらいだったと思う)しかもらったことがなかったため生活はカツカツでした。
本当に貯蓄ができなかった。
Uターンで戻って、不慣れな雪道運転で自爆して車の修理代を自動車保険で払うと保険料が上がる→只でさえすくない賃金から値上げした自動車保険料が引かれる&奨学金が引かれる・・・でとにかく貯金ができない。
20代の東京の上場企業勤務時は、普通に夏と冬はボーナスが貰えていたので環境の違いに本当に苦しみました。
この劣悪環境が4年続いて極まったところで、ブラック企業とケンカになって転職します。
転職活動期間はたった1カ月で年収が150万以上アップしました。
もちろん私が優秀だから金額が大幅にアップしたのではなく、元会社がアレ過ぎたのです。
田舎でIT職なんて選択肢がないからと選んだのがろくでもないブラック企業だったというだけです。
しかし・・・ここまでマイナス期間が続いてしまうと普通に貯金したところで将来的な展望は無いに等しい。
転職先は普通に確定拠出年金があったので、まずマッチング拠出を選択しながら投資を始めます。
大学生の時に読んだ橘玲の本(確かヘッジファンド解説だった気がする)に書いてあったマーコウィッツのポートフォリオ理論を思い出し、全額株式投資(インデックスファンド)に全振りします。
確か当時は先進国:新興国:日本=7:2:1ぐらいの割合にしていたと思います。
といはいえ、これでは月に数千円。
とてもじゃないがこれじゃ増える額もたかが知れている。
転職して3カ月ぐらいして貯蓄の余裕が出てくる。
そこで積立NISAを始めます。
積立開始してすぐに大きな事件が起こります。
コロナショックで安値で積み立てNISAをはじめられた
そう、大幅に下がったところから積立が始められたのです。
このおかけで積立NISA分に関しては評価損という状況を一度も経験せずに今まで来れました。
ここもマーコウィッツ理論を念頭に、先進国インデックスを9割、日本株を1割で積み立てる。
今思うとこのあたりの金融理論の漠然とした知識があったことが身を助けてくれたと思います。
投資の余裕なんか全くなくて苦しかった時期も山形浩生がトマ・ピケティの紹介をしていたのは読んでいて「r>g」は理解していた。
こういう要点を理解しているのって振り返ってみると「知は力なり」に繋がるのだなぁ、と思います。
インテリ界隈の本をジャンルを問わず学生の頃沢山読んでいた蓄積が、変な理論に飛びつかないで最適解を選ぶことになっていました。
積立NISA分以上も投資に回さなくちゃ、とネット証券に特定口座を作ってS&P、ナスダック、新興国、日本株のインデックスファンドに毎日数百円ずつ積立投資を行います。
1年ほど経って元本が少額ではあるものの、コロナショックからの回復分もあり「投資」で利益が手始めます。
個別株にもチャレンジするもののまるで上手くいかない
1年インデックスファンドに積立投資し続け、ベースはそこに置きつつも少額ながら個別株投資も始めました。
とにかくインデックスファンドだけだと上昇ペースが限定されるし、個別企業の動きがよくわからなくてイマイチ投資の感覚が理解できている実感がなかったのです。
ただね、個別株投資はじめは全く上手くいきませんでした。
買える1株単価も低い少額のものしか買えないんですが、高値掴みをよくやって塩漬けになるのを2社、1社は株価が落ち続けて半額以下になって損切りしたのもありました。
難しい。でもだからといってインデックスオンリーではブラック企業での遅れは取り戻せないのも薄々気付いている。
そこで、チマチマと手数料無料の単元未満株を株価を睨みながら安値でチョボチョボ買い集めていくスタイルをとり始めました。
あくまで長期投資前提で、目星をつけた企業の株を安値で買い集めるスタンスです。
これで、細々と値下がりした株を買い集めて含み益が出るようになり始めました。
インデックスファンドは相変わらず順調。
個別株でインデックスファンドのパフォーマンスを超えるのは難しい・・・の意味が実感としてよくわかりました。
それで数百万ぐらいの金融資産になりだした頃に、宝くじの1等じゃないけどお高めの国産車は買えるくらいの当選金をゲットするラッキーが起こります。
要は入金力なのだ
もちろんベースはインデックスファンド。
しかし、突然のそこそこ大きいキャッシュをゲット。
手が出せなかった個別株も買えるのでは?と考えました。
当時の風潮だと米国株意外あり得ない!日本株なんか買うのはバカだ・・・みたいな空気感でした。
でも、米国株がコロナ禍からの回復で割高になっていましたし、日本株はどう見ても相対的に安い。
EVブームとコロナ禍半導体不足回復の遅れでトヨタの株がどう見ても割安ゾーンに入っていたし、任天堂も不自然に下げていたし、バフェットが手を出したのに商社株もまだ安かった。
テスラ株買って億り人みたいなドリームはないだろうけど、これ買ったら配当もあるし大損はしないと思うんだよなぁ、とそこで株を買い集めます。
買い集めている最中も株価はぐいぐい下がるんですが、気にせずナンピン買い。
個別株を買い始めた頃に手を出していたマイナー株ではなく、メジャーな収益構造を構築している大型株ばかりだからそこまで心配はしない。
長期投資前提だし最悪ホールドし続けて配当でマイナス分を埋められれば良し、の意気込みでどんどん投資してインデックスファンドより配分が大きくなってしまいました。
もちろん評価益は若干の赤字状態。
故・山崎元氏はオールカントリーのインデックスファンドを推奨する知的に誠実な経済評論家でしたが、よく個別株で自分なりのインブックスファンドもどきを作る方法を示唆して日本株の上昇余地に言及していたのがどうしても気になっていたので、こういうリスクを取るアクションを取ったのでした。
何より、日本企業の情報は調べればわかるし、肌感として理解しやすいので自分なりの日本株インデックスファンドを組んでみたのでした。
このころは特定口座のインデックスファンドも評価益が減ったり評価損になるものもありました。
個別株は難しいなぁとしょんぼりしていたのが数か月続いていた頃に転換が始まります。
バフェットの商社株買い増し、日本株再評価
バフェットの商社株買い増しの報道が出て、一気に手持ちの商社株が上がりだします。
これがインデックスファンドでは起こりえない上がり方なわけですね。
トヨタもコロナ禍の回復期に入り、こちらも上がり出して日本株の再評価が起こり始めます。
そうするとチマチマと単元未満株を安値で買い集めて1単元にしていたようなマイナー株も値上がりしだしてダブルバガーが連発したりしだします。
一気にインデックスファンドのパフォーマンスを自作日本株インデックスファンドもどきの個別株群が超えました。
金融資産1000万のラインを超えたんですね。
ちょっとこの動きは自分でも困惑してました。
分がある勝負ではあると思っていたけど、増え方はあんまりイメージしてなかったし、そもそも5年くらい前はほぼ文無し状態の貧困層の窮状になっていたわけでしたから。
こういう上がり方は全く想定していなかったから、完全に「まぐれ」なのです。
資産が一定のラインを超えると上昇ペースが加速する
自作インデックスファンドもどき日本株群は元々長期投資を想定して構築していたので、そこで利確する気はありませんでした。
チマチマと単元未満株を安値で買い集める貧乏くさいやり方で買っていた某アニメ株が高騰して理解できないゾーンになったものを利確して、分割発表して値下がりしていた三菱商事をこれまたチマチマ買い集めてたら、年明けから怒涛の値上がりをして・・・とか一部の株を利確して載せ替え作業をしたものの基本はバイ&ホールド。
なんだか昨年のフェイズからさらに値上がりして、ここ一年で全体で数百万円資産が増加となりました。
年収以上じゃん、こんなの。
増加ペースがそれまでと明らかに変わりだしたんですね。
昨年中にチャイナの不動産バブルの崩壊が日本のバブル崩壊と構造が同じになる感じがしていたので、新興国インデックスファンドを利確して全て先進国や日本株の方に切り替えたり、特定口座で積み立てていたインデックスファンドを新NISAの成長枠に載せ替えたりと今年は例年になくせわしなく資産を動かしました。
いいタイミングで新NISAが始まってくれたので一旦利確できて良かったです。
これまた「まぐれ」だったんですが、特定口座の日本株のインデックスファンドをTOPIXじゃなくて日経225にしててハイペースで増加中。
これはそのまま放置して来年の成長枠に載せ替える予定です。今年分もう残り少なくて・・・。
でもやっぱり「まぐれ」なのです。
私がやったのは大枠としての日本株の上昇余地を考え、バリュー株投資の安値買いを実行しただけです。
こんなにビッグウェーブ的な日本株上昇が起きたのはただの「まぐれ」です。
これはあんまり上がらないな、と思って利確した株がその後急騰したこともあるし、移動先が想定した以上に値上がりしたこともある。
結局、よくわからない。
雰囲気でやっているといえば雰囲気でやっているような気もする。
なので、まともな収益を出し続けている企業に資産を分散させて安値で買って持ち続けるのが正解な気がします。
なにがきっかけで上がり出すかなんて詳細な予測はできやしない。
大枠の流れを読むことしかできません。
にもかかわらず、5年前では想像もしなかった異様なペースで資産が増えました。
本当に「まぐれ」ではあるんたけども、ここまで巻き返しができたので今窮状にある人も可能性はあります。
地道に情報を集めながらコツコツやっていると急に運が回ってくることってあるのです。
いや、正直今でも信じられない。
よくよく考えると私は社会に関して昔から情報を集めて分析するのが得意ではあったのだけど、それを金銭に変える手段を持っていませんでした。
マーコウィッツの理論も色々なジャンルを乱読していた本の中に書いてあったのを覚えていただけだったし
私の場合は株式投資が凄く合っていたというだけで、他の人にはその人に向いたやり方があるのだと思います。
ゼロ・・・というかマイナスからやり直すことは不可能ではない、ということが実体験として理解できました。