コラム 社内SE

使い捨てされる未来を直視しない不思議

2020/09/11

転職してしばらく経てば経つほど、前の職場のヤバさ加減を冷静に他人事として冷めた目で見ることができるようになり、そこで思ったことを色々と書き連ねてみたいと思います。

低賃金でボーナスも出ないのにどう将来設計するのだろう

転職で賃金が大幅に上がり、なんとか生活や心のゆとりが若干感じられるようになりました。以前はピリピリ張り詰めた感じと焦燥感しか感じない日々でした。

それもこれも前の勤務先では賃金体系がどう考えても未来がないのが自明だったからです。ボーナスもなんだかんだ理由をつけて出ないのが当たり前だったしで、全くポジティブな考えを持てませんでした。

他の社員は「まあ、そんなもんだよね」という受け止め方をしているわけでしたが、今振り返ってみてもどう考えても先々がヤバいことになるのはわかりきってるのにまともに働きもしない社長の下であくせく働いているのは不気味でした。

出勤しては飲み屋のネエちゃんとLINEするだけの社長

元々ろくに仕事をしない社長で、入ったばかりの頃も社員や役員が普通に「またどっかに遊びに行ってるよ」と言ってしまうようなどうしようもない社長でした。見栄っぱりだけは一丁前で上辺で綺麗なことは言うが中身は伴っていないのを絵に描いたような人間で、ろくに出社しないし、出社して何かパソコンをいじっているように見えても実際は飲み屋のネエちゃんとLINEしてるだけのクズとしか言いようがない有様でした。

今まで見てきたまともな会社の社長の振る舞いとは隔絶していたものだから、よくこんな人間の下で長年働けるなと辟易する日々。下手に動かないで欲しい、と思われている社長なわけですが、なんでそんなとこで働いてるんだろうというそもそも論にならないのが実に不思議でした。

もちろん疑問に思うようなまともな神経をしている人達はしっかり会社を去っていくわけですが。

業務改善案なんて意味がない

色々と仕事をするような素振りを見せて業務改善案などを求めるわけです。で、社内では一応真面目に議論は出るのですが私は入った当初から「意味ないんじゃないのかな、コレ」と黙って静観していました。

社内体制を整えようとか、マネジメントをしっかりしようとする会社の風土には見えなかったのです。入社してすぐにそれは感じ取れました。入社したその日にサイトデザインを渡されて「これ作って」と言われるような会社でしたし、社会保険は入社して三か月後に加入。

まともな組織づくりをしている会社と思う方がおかしい。そう思うのですが、「じゃあこうしよう」などとそうした現実は見ないことにして議論のフリをしているのは笑えないギャグにしか見えなかったわけです。

採用されるのは案の定、社内発表会とか社員交流会なんていう本質とはまるでかけ離れた「なんかやってるぞ」感を出すだけのイベント。後々とりまとめに無駄に時間がかかるだけの無意味な施策。

モチベーションがどんどん下がる日々を死んだ目で過ごしていました。

どうせ社員を使い潰して搾取分を貯めこんで会社を畳むつもり

この社長は会社を大きくしようなんて気持ちは既にさらさらないのに何故気付かないんだろう。気づいていても当面をやり過ごせればそれでいいということなのだろうか。

気付いた人達はさっさと転職先を見つけて退職していくわけです。あっさり言ってしまえば、とりあえず低賃金で社員を使い潰して自分が働けなくなったら貯めこんだ分で余生を暮らそう。会社は畳んでしまえばよい。という行動原理しか見えない社長なわけです。

退職金もないのでその時社員はバカみたいに細々と働いたはいいけど老いた働きアリは使い捨てになるだけ、というはっきり見える未来はどうも考慮外であるらしく、社員で気の合う仲間だけで徒党を組んで裏でこそこそやっていたりします。

辞めていった人たちは、社長にも役員にもこういう徒党にも嫌悪感を抱いていたのだろうなぁ、と今では思います。私も逃げれるものなら逃げたいと毎日思っていたし、たまたま社内で揉めたのをきっかけに転職活動を頑張ってみたら、大企業に分類される転職先で物凄く運よくベストタイミングで欠員が複数出ていたために移ることができました。

転職できていなかったらと思うと心底ゾッとします。

働きアリは本当に未来を見据えていたのだろうか

「アリとキリギリス」でキリギリスは冬に困り果てる、という昔話がありますがどうも私はこの話に違和感を感じるようになりました。あくせく働いてしっかりした蓄えができるという前提ならわかるのですが、そうじゃない会社で働きアリになっても意味はないんじゃないか、ただすり潰されるだけなんじゃないかと当然思うわけです。

で、働かないキリギリスの懐を温めて自分が年老いたらバックレられて使い捨てされる未来しか見えないのに「仕事とは」みたいなポリシーとかやりがい搾取を甘んじて受けて働くのはどうにも面白くない

まともな大きな会社なら利益共同体として持ちつ持たれつ、皆がまともに働けばそう悪くない恩恵を受けられるという仕組みになっているわけです。成長を前提としている企業ならば。

中小ならば「自分で色々な仕事を任せてもらえる」というフレーズも体のいいやりがい搾取であって、ある程度の規模までいけばまるで通用しなくなりまともなマネジメントや戦略が必要になってきます。そしてその頑張りが報われないケースの方が中小企業は圧倒的に多いわけですから、きちんとトレードオフができる場所を選ぶべきではないかと思います。

ただ、そういう風に考えて楽できるとこは楽しようみたいな考え方というのは、「仕事とは」みたいなポリシーで働く人達にはたいそう受けがよろしくない。でも実際にそういう「頑張っている人」の仕事がしっかりしているかというと中身は凄い雑だったりするで、世の中というのは本当にややこしい。

-コラム, 社内SE