虫刺されに紫雲膏が効いた(追記訂正あり)
2020/04/16
先日の猛暑日の熱帯夜。
寝汗をだいぶかいてしまったためか、翌朝なんだか二の腕と脛が痒い。
今年の夏はそんなに虫に刺されなかったな、と思っていたら最後にかなりタチの悪い虫刺されの被害を食らってしまいました。
脛に二箇所、二の腕は三箇所の損害を被りました。
そうはいっても虫刺されなんて子供の頃は我慢できなくても、大人になれば我慢もある程度効きます。
放っておけば治るだろうと呑気にかまえていたけれど漢方に頼ることになったお話。
全く腫れが引かない・・・
虫刺されの治る気配が全くなく、ずーっと腫れて痒みがおさまらないし、刺された箇所は熱を持ったまま。
刺された脛の二箇所のうちの一箇所は、早い段階で腫れた箇所の皮膚が破れて液体状の膿が出ていました。
経験上、これなら普通はすぐに治るハズ。
ところが二日目になっても液体状の膿が出続けて全く良くならない。
「これは並の蚊ではない・・・」と事態を重くみた漢方マニアの私、今の自分の状況に合う漢方を考えます。
一般的に、虫刺されといってすぐに思いついたのは「十味敗毒湯」や「黄連解毒湯」。
どちらもドラッグストアに行けば売ってはいるけど二週間分くらいの箱セットで2、3,000円はする。
「虫刺されに滅多に使わない漢方薬を3,000円出して買う・・・」
勿体無い。
手持ちの漢方薬で何か効くのないかな・・・と薬箱を漁っていたらコレが出てきました。
数少ない外用薬漢方 紫雲膏
一般的に漢方は内服薬がメインです。
外用薬でメジャーなのは太乙膏とこの紫雲膏くらいです。
パッケージに「やけど、きず、痔」とありますが、私は切り傷ができた場合は迷わず紫雲膏を使うことにしてます。
さて、紫雲膏は虫刺されに効くのだろうか。効能欄に「虫刺され」はない・・・な。
紫雲膏の配合成分は
紫根、当帰、ごま油、ミツロウ、豚脂
紫根は抗炎症作用のある生薬。当帰は、当帰芍薬散や当帰飲子に使われるから皮膚関連で使われる生薬としては妥当。
・・・これイケるんじゃね?
風呂あがりに紫雲膏を患部にたっぷり塗ります。
紫雲膏は豚脂を使っているため独特の臭いが強いので、塗った箇所を包帯でグルグル巻きにします。
これでどうだ。
紫雲膏の抗炎症作用は伊達じゃない
翌日、一日包帯グルグル巻きにしていた箇所を外すと、昨日までの酷い皮膚の腫れは嘘のように引いていました。
痔も皮膚の炎症のようなものだし、虫刺されも皮膚の炎症なわけだから効くのも当然か。
ちなみに紫雲膏を開発したのは、世界初の全身麻酔手術を行った江戸時代の漢方医、華岡青洲その人であります。
追記:膿、水ぶくれにはやはり黄連解毒湯が有効
以来、虫刺されになると紫雲膏を塗っていたのですが、問題もあったので情報を追記します。
刺された直後の炎症を鎮めるのと、虫刺されで腫れた皮膚が破れた状態を治す点に関しては紫雲膏は効きます。
ただ痒みと肌が水ぶくれのようになる部分に関しては紫雲膏の効きはイマイチ。
そこで紫雲膏と黄連解毒湯の組み合わせを試してみました。
下は刺された直後の腫れです。
この患部に紫雲膏を塗って絆創膏を貼り、併せて黄連解毒湯を飲んでみました。
すると腫れが引くのが早い。
紫雲膏だけだと水ぶくれや膿が出ること自体は回避できないケースがそこそこあったのですが、黄連解毒湯を組み合わせると膿になることなく皮膚が元の状態に戻りました。
ちょっとこれは自分の体で人体実験していて驚きました。
効くとは聞いていたけど、こんな感じとは思わなかった。
野良仕事や家庭菜園などで虫に刺されることが多い人は黄連解毒湯を常備していた方が良いかもしれません。
ただ、一つだけ注意。黄連解毒湯は漢方の中でもかなり苦いです。
一包の量はそんなに多くないですけど、苦いもんは苦いのでそこだけは覚悟してくださいね。